こんにちは。お人よしコミュ障ブロガーのミヤモンです。
もっと文章がうまくなりたい。
今回は、このような悩みを持つ方に是非一読してもらいたい本の紹介をしていきます。
前田安正 著 (2017)『マジ文章書けないんだけど』 大和書房
です。
この本は、主に
など、文章を書く機会の多い方にぜひ読んでいただきたい本となっています。
早速内容の紹介に入っていきます。
『マジ文章書けないんだけど』ざっくり概略
「マジ文章書けないんだけど」
「えーっ!マジ、マジ?それ相当やばいよ」
就職活動を控えた、マジ文章を書けない女子大生がバイト先によく来るおじさんに文章の書き方を教えてもらい、ESを完成させるというストーリーになっています。
著者である前田安正さんは朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長/未来交創ビジョンクリエイターという、いまいちピンと来ないけれどもなんかすごそう(語彙力無くてすいません)な肩書をお持ちの方です。
漢字の字源や文章に関する本を書いており、企業での研修も行っているそうです。一言でいえば「文章のスペシャリスト」ですね。
本の内容としては、学生時代に一度は習ったような、「助詞の使い分け」、「こそあど言葉」、「5W1H」といった文章術について書かれたものですが、
ストーリー形式になっているうえにページ数もさほど多くないため非常に読みやすかったです。
さらにうれしいのは、本書の後半は相手に伝わるESを完成させるための「志望動機」や「自己PR」の書き方が具体的な内容で書かれていることです。
ESがうまく書けずに悩む就活生にとっては、今後の社会人生活を含めて力強い味方になってくれること間違いなしの一冊になっています。
本書の構成は以下の通りとなっています。
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初級 1st.STEP 基本中の基本!主語と述語について考える
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中級 2st.STEP 文章を書く基本!文と文章の構造を考える
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上級 3st.STEP めざせ!伝わる文章 人の思考を意識する
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プロ級 4st.STEP 秘策!文章マスターへの道 「Why」を意識する
ここからは、この本の内容の中でも特に僕が「ためになった」「目から鱗だった」と感じたものを抜粋して書いていきます。
過去の出来事に現在形を使ってライブ感を出す
現在よりも前の出来事やエピソードについて書く時、一般的には「おいしかったよ」「きれいだったよ」など過去形を使って表現すると思います。
しかし、過去に起きた出来事について現在形を交えて書くことでより臨場感のある文章にできるというのです。
例えば、先日言ったハンバーグ屋さんの感想をブログなどに書く時
「先週、できたばかりのハンバーグ屋に行ってきました。店のドアを開けると、じゅーという音とともに、とても香ばしい香りが鼻に入ってきます。席に着き、注文をすると10分ほどでハンバーグが運ばれてきました。ナイフで割ると大量の肉汁があふれ出してきます。一口食べただけでジューシーな旨味が口いっぱいに広がり幸せな気分になります。必ずまた来たいと思えるお店でした」
このように、過去の出来事をあえて現在形で表現することで、読んでいる側もその情景がイメージしやすくなりよりライブ感のある文章が書けるのです。
個人的に人との会話の中で無理にこの表現をすると不自然な会話になってしまう気がするので、文章で使うのがメインになると思いました。
特に就活生がESで「学生時代に頑張ったこと」などを書く際、現在形も交えることで、自分の当時の感情(苦しい、嬉しい)を伝えるのに非常に効果的なのではないでしょうか。
文章を書くときは「状況」「行動」「変化」を意識する
一つの文が「状況」を報告すると、それに反応してなにがしかの「行動」が起きる。これが「変化」を生みだし、さらにこの「変化」が新しい「状況」をつくっていく・・・。
ESで「学生時代に頑張ったこと」などを書くとき、自分が頑張ってきたこと自体よりも、そこで直面した問題にどう対処し、何を学んだのかを明確にすることが大事とよく言われますが、まさにこの「状況」「行動」「変化」のことを言っています。
自分は~をしていた。~が大変だった。など状況のみを伝える文章では自分が本当に伝えたいことが何か、相手も分からないものになってしまいます。
人が何か「行動」を起こす際には、何かしらのきっかけや行動せざるを得ないような「状況」があるはずであり、その「行動」の先には多かれ少なかれ「変化」があるはずです。
つまり「状況」「行動」「変化」を意識した文章というのは、人の思考や行動に沿った文章なのです。
その3つを意識するだけで筋の通った相手に伝わる文章がスラスラ書けるようになるはずです。
「why」で自問自答を繰り返し、文章に深みを持たせる
先ほど出てきた「状況」「行動」「変化」、この3つの要素を相手に伝わるように展開していくためには「why」による問いかけが必要になります。
例えば「私は書店でアルバイトをしていました。私はその地域で愛される書店にするため、店長と相談して子供が遊べるスペースを作りました。」
という文章があるとします。
何の問題もない普通の文章に見えますが、中にはこう感じた人もいませんか?
「なんで子供用スペースなんだろう」
愛される書店にしたいのであれば、カフェスペースを作るとか、定期的に読書会を実施するなどいくつでも案は出てくるはずなのになぜ子供用スペースなのかと。
では、上のエピソードの1文目と2文目の間に「その書店の近くには幼稚園や小学校があり、小さい子供を連れた親御さんがとても多く来店していました。」という1文があったらどうでしょう。
アルバイトをしているという「状況」と店長と相談して子供用スペースを作ったという「行動」が違和感なくつながっていると思います。
これがここでいう「why」の役割です。
「行動」に対して「なぜ」を問いかけることで、相手にも伝わる文章を展開することができます。
相手にわかってほしいと思ったら、読み手の先回りをしてその部分を丁寧に書いていかないと文章に説得力がなくなるんだよ。
自分では伝わると思っている文章も相手からすると「なぜ」と疑問に感じる部分は出てくるでしょう。
自分の書いた文章を「状況」「行動」「変化」に分け、その一つ一つに対して「why」で自問自答を繰り返すことで、相手に伝わりやすく、説得力のある深い文章が書けるのです。
まとめ
以上、『マジ文章書けないんだけど』の書評をさせていただきました。
- 過去の出来事を現在形で表現する
- 「状況」「行動」「変化」を意識した文章の流れにする
- 「why」で自問自答を繰り返す
など、相手への伝わりやすさを意識した文章を書く上での実践的かつシンプルな内容がぎっしり詰まっていました。
文章を書く機会が多い方や就職活動中の学生には強くお勧めしたい一冊です。
今回は以上となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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