こんにちは。お人よしコミュ障ブロガーのミヤモンです。
この記事を開いていただいた皆様は現在以下のような悩みをお持ちなのではないでしょうか?
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映画を観たり、本を読んだときその感想をほかの人にうまく伝えられずへこむ。
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日常の会話や会議などで自分の意見を求められたとき、一般的なことや自分でも何を言ってるのかわからないようなことしか言えない。
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自分のコミュニケーション能力に自信がない。そんな自分を変えたいと思い会話や雑談に関するスキルが書かれた本を読み、実践しようとするもうまいかない。
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SNSやブログをやっており、多くの人に見てもらえるような文章を書きたいけれど、つまらない文章しか思い浮かばない。
これらの悩みを抱える人の気持ちは非常によく分かります。なぜならば、上に挙げた悩みはすべて自分も日頃から感じていることだからです。
職場の人と話す時も会話がすぐに途切れてしまう。自分のコミュニケーション力に自信がないから、ほかの人に話しかけることもできず、いつまでも周りの人と打ち解けられない。
この本は、私のようなコミュニケーション弱者でも、自分の言葉で話せるようになるための、シンプルでありながら奥深いプロセスが書かれています。
もし、自分の言いたいことがうまく伝わらない、コミュニケーションや人間関係で損をしない生き方をしたいと考えている方はこのページを読み進めてください。
『「言葉にできる」は武器になる』を読み始めたきっかけ
(自分語りが多いので、本の内容だけ知りたい方は読み飛ばしてくださいね。)
人とのコミュニケーションが苦手な自分ですが、大学生時代、就職活動を目前に控えて(今さら)自分のコミュニケーション力の低さに危機感を覚えるようになりました。
自分はどんな人間で、この先どんな仕事がしたいのか、説得力を持った話をすることができなかったのです。
自己分析をしようにも、自分の長所や短所が具体的に思い浮かばない。自分はどんなことに興味があり、なぜこの進路を選んだのか、どんな仕事に就きたいのかが全く思い浮かばない。
と絶望したのを覚えています。
自己分析がこんな調子のため、当然面接でも的確な受け答えができません。的外れの回答をしたり、沈黙してしまったり目線がきょろきょろしていたりと、およそ面接と呼べるようなものではなく不採用の連絡ばかりでした。
面接でこんなにも落ちるのはやはり自分のコミュニケーション能力のせいだと、次第に自己分析からは目を背け、コミュニケーションのハウツー本に頼るようになりました。
タイトルに「コミュニケーション」とか「雑談」と書かれた本は、書店に行けばいくらでも置いてあり、その中には自分がこれまで意識したこともなかったようなことや、非常に納得させられるようなことが書いてあり、これまでの自分のコミュニケーションの取り方がいかに間違っていたものであったのかと実感させられました。
これらのことを実践していけば自分も会話がうまくなる、面接もうまくいくと思っていました。
しかし、皆様の想像通りそううまくはいきませんでした。それもそのはずです、いくら表面的なコミュニケーションのスキルを身に着けたところで、実際に話したい内容自体がなければ何の意味もないのです。
特に面接という場においては。
上にも書いたように自分は周りの人と比べて空っぽな人間した。
喜怒哀楽の感情が少なく、熱く語れるような趣味も価値観もありません。
これまで人とかかわることを極力避け、自分から行動していろんな経験を積んだりせず、何も考えずに生きてきた代償なのだと感じました。
そんな人間が小手先のスキルを身に着けたところで、たかが知れています、サークルやバイトを精一杯楽しんできた学生や留学などの経験をしている主体的な学生に比べてどうしても中身の薄い受け答えしかできず、悔しい思いをしたのを覚えています。
今まで過ごしてきた20年間は何だったのかと。
そんなわけでひどく落ち込み、自己嫌悪に陥りましたが就活は待ってくれません。周りの学生が内定をもらっていく中、就活留年だけはごめんだという気持ちでいろんな会社を受けていました。
この本に出合ったのはそんなときでした。面接のある会社の最寄り駅に早く着きすぎてしまったため、暇つぶしにふらっと書店に入りました。そこでこの本が目につきました。タイトルにはもちろん引き付けられましたがそれ以上に興味を持ったのは表紙に書いてあった一文でした。
「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。
当時の自分にとってあまりにも衝撃的な一文でした。
自分がなぜ面接で話せないのか、自分でも薄々気づいていてそれでも目を背けてきたその原因を、思い知らされました。
そうです、私はこれまでの自分の人生があまりにも空っぽであることに気づき、それを直視しまいと自己分析という自分と向き合う作業から逃げ、あわよくば表面的な自己PRで内定がもらえればと思っていたのです。世の中そんなに甘くはないですね。
『「言葉にできる」は武器になる』
皆様大変お待たせいたしました。自分語りが長くなってしまい申し訳ありません。いよいよ本の内容について触れていきたいと思います。
この本はコミュニケーションスキルについて書かれた本ではありません。自分の思考や感情と向き合い、自分の伝えたいことをうまく言葉にするプロセスが書かれた本です。
即効性はありません。この本を読み、その内容を日頃の生活の中で常に意識することで少しづつ自分の言葉が磨かれていきます。
「言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある」
梅田悟司 2016 『「言葉にできる」は武器になる』 p26
こちらがこの本における一貫したテーマだと思います。
就活時の私のようにいくらコミュニケーションのハウツーを学んだところで本質的に人との会話が上達することはありません。
それよりも重要なのは、自分の言葉を持つことです。自分の内面に意識を向け、どんな時にどんな感情を抱くのか、なぜそれを選択したのかなどどんなに些細なことに対しても自分の頭で考え言語化することで初めて自分の言葉になります。
「なぜ今日の昼食にかつ丼を選んだのか」「どうしてこのユーチューバーを応援したくなるのか」など日常の中で自分の意見を育てる機会はありふれています。
その機会を見逃さず自分の頭で考えるという訓練を意識して行うことで、考えた内容を種に自然と自分の言葉を発することができるようになる。それがこの本のゴールだと思っています。
では、どのようにして自分の言葉を生み出せばいいのか。この本の中では
①頭の中に浮かんだ言葉をアウトプットする。
②アウトプットされた言葉をもとにして考えを拡張する
③逆の考えやほかの人の立場で考える
の3段階の「思考サイクル」が重要だと述べられています。
以下に、より具体的なプロセスを書いていきます。
1.頭にあることを書き出す(アウトプット)
皆さんは、自分の趣味ややりたい仕事についてなど何かについて考えたとしても、人に話そうとすると話がまとまっていなかったり、どうしてこの結論に至ったのか忘れてしまったということはありませんか?
その原因は、自分の頭では十分に考えたつもりでも実は、表面的にしか考えられておらず、また内容に一貫性がないからなのです。
例えば、将来キャリアコンサルタントになりたいとしましょう。まずは、「なぜ」キャリアコンサルタントなのかと考えると思います。
「就職できずに悩む人や仕事で精神的に追い詰められてしまう人を減らしたい」
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「なんでそう思ったんだっけ?そもそも自分にできるのかな」
⇩
「資格とか必要?今の大学の学部と全く関係ないな。」
⇩
「なんでこの学部選んだんだっけ?将来のことなんて全然考えてなかったからな。」
⇩
「こんなことなら高校生の頃にもっと仕事のこととか調べとくんだった」
という風に、若干流れに無理があるかもしれませんが、最初に考えていた内容との一貫性が徐々になくなっていっています。ブレブレです。しかし、多くの人が同じような経験をされているのではないでしょうか。
仕事について考えていたはずが、際限なく話が広がってしまい考えるほど混乱してくる。
まさに思考の泥沼。一度はまったら抜け出せず、自分が何を考えていたのかすら忘れてしまい、別の問題について考えている。あるあるですね。
そのような大惨事を回避するために必要なのがこのプロセス。
思考をアウトプットすることです。
A4の紙とペンを用意してください。後はひたすら頭に浮かんだことを書き出していきます。一枚の紙につき一つの内容を書くようにしてください。どんな些細なことでもとにかく何十枚でも書き出すことによって思考を次へ次へと進めることができます。
(もし、A4の紙がもったいない、やりづらいと感じる方は、ノートとふせんの組み合わせでも大丈夫です。)
2.「T字型思考法で考えを進める」(連想と深化)
1で書き出した内容をさらに深め広げていく段階です。「なぜ?」で考えを深め、「それで?」で考えを進め、「本当に?」で考えを戻します。
①「なぜ?」で考えを深める。
1で書き出した内容についてどうしてそう考えたのかを自分自身に問いかけます。上にあげた例でいえば「就職できずに悩む人や仕事で精神的に追い詰められてしまう人を減らしたい」と考えたそもそもの原因は何か。思い当たる経験やその考えに至った経緯を掘り下げていきます。
②「それで?」で考えを進める。
書き出した内容について、それで結局どうしたいのか、何が言いたいのか、望む結果や相手に本当に伝えたいことが何かを具体的にしていきます。
「将来お金持ちになりたい」と考えるならば、その結果どうしたいのかという風に先のことを考えます。「人から尊敬されたい」「高級な外車に乗りたい」など、いろいろ出てくると思います。それらも余すことなくひたすら紙に書きだしていきましょう。
③「本当に?」で考えを戻す。
自分で考えたことに対してそれは自分の本心なのかと一度疑いなおしてみます。「周りの人に言われたから」「ふつうはそうだから」といった考えを疑ってみることで、狭くなっていた視野を広げることができ結果として自分自身の言葉、願望が出てきます。
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